メモ 『【推しの子】』の「星野アイ」って、異世界転生の主役みたいな登場人物だ。

いちおう、ややこしいことにならないように、このブログに記事(というかメモ)を書くことにする。

『【推しの子】』の「星野アイ」はアイドルとしての天才的な才能をもっている、という設定になっている(が、意外とその才能の実体がはっきりしない。「カリスマ性がある」ということらしいが)。
そして、「星野アイ自身が、自分の親との関係がまったく存在しない、ように見える」という点があげられる。考えてみてほしい、20歳以下の少女で、いわゆる「望まない妊娠」をした後でも、自分の親との関係で悩んでいる姿が一切ないように見える、というのは、考えてみればそうとう不自然と言うかはっきりいって異常である。「毒親」問題がこれほど広く(深くかどうかはともかく)意識されているのに、である。
異世界転生の特徴というのはいろいろあるが、たぶんだが、成育歴と職歴による因果関係の強引な切断がある(フィクションの操作可能性の、はっきりいえば肥大化が原因)。
そういえば、作中で「星野アイ」とファンの交流が描かれることは(記憶では)ほとんどなかったはずだ。
これはたぶん作者の考え不足ではなく、わざとである。というより、「推し」関係の描写を突き詰めるとほとんど確実にこうなる、ということだろう。

最近、植木等氏の「親は子をしらず、子は親を知らずに人生を歩み、死んでいく。悲しい事ではないか」という意味の言葉を何度も思い出している。支離滅裂のようで「人間みな平等」という一貫したスジを通した父、植木徹誠氏のことを意識したうえでの言葉である。