『カラマーゾフの兄弟』第4篇

『ドストエーフスキイ全集 第12巻 カラマーゾフの兄弟』(1959年、米川正夫訳、河出書房新社)P212-P233

わたくしのことを道化よばわりをしたのも、実際もっとも千万なのでございます。さあ、カラマーゾフさん、お伴いたしましょう、そして用件を片づけることといたしましょう……」 彼はアリョーシャの手を取って、部屋の中からすぐ往来へ引っ張り出した。[#3字…

『ドストエーフスキイ全集 第12巻 カラマーゾフの兄弟』(1959年、米川正夫訳、河出書房新社)P192-P211

実際ミーチャの手から『横取り』する気でいるという噂をちらほら耳にしていた。ついこの間までこの噂はアリョーシャにとって、もってのほかの奇怪至極なものに思われた。もっとも、非常に気がかりであった。彼は二人の兄を両方とも愛していたので、二人の間…

『ドストエーフスキイ全集 第12巻 カラマーゾフの兄弟』(1959年、米川正夫訳、河出書房新社)P167-P191

[#1字下げ]第四篇 破裂[#「第四篇 破裂」は大見出し] [#3字下げ]第一 フェラポント[#「第一 フェラポント」は中見出し] 朝早くまだ夜の明けないうちに、アリョーシャは呼び起された。長老が目をさましたのである。彼は非常に衰弱を感じていた…